08-17
「うわっつ!」「痛ぁあ!」
二つの悲鳴と共に大きな物音が聞こえた。
何事だと振り返れば風花とあかりが尻餅をついていた。
何故、彼女達がこんなところに。驚愕する一同に対し、二人は此処は何処だと尻を擦りながら見渡す。自分達の姿に二人も驚愕した。
「ね、ネイリー! ジェラール! なんであんた達が此処に?!」
「それはこっちの台詞よん。なんで風花達が、いきなり天井から降ってくるのん?!」
天井から降ってきた? 風花とあかりは揃って天を仰ぐ。
何もない天井から自分達は降ってきたのか。
ということは自分達はネイリー宅に今いるのか。でも何故、自分達は“何でも屋”の前にいた筈なのに。
呆然と見つめていたが、ハッと二人は我に返る。
「今すぐ戻らないとッ、菜月が聖界に帰っちまう!」
ジェラールの目が零れんばかりに見開いた。
急いで風花に駆け寄ると、彼女の両肩を掴んでそれはどういうことだと訊ねた。
焦りを見せているセントエルフに風花は冷静に返す。
意味はそのまんまだと。
「まさか…」ジェラールは息を呑んだ。
「バレたの…? 風花と菜月のこと。聖界に、四天守護家に、ばれてしまったのんっ?!」
ネイリーは持っていたリングファイルを落とした。開かれたページには下記のことが記してあった。
下記は異例子について(一般の新聞には掲載されていない裏情報)
異例子。
四天守護家・鬼夜一族の鬼夜灯月(ひづき)・鈴葉(すずは)の間に生まれた三兄姉の末子。名は鬼夜菜月。
両親の血筋を引かず天使になり損ねた子、“異例子”として世間では知られている。
一件の事件を契機に、育児放棄した母に代わって人間界に住居している祖父・鬼夜琴月(ことづき)に身を引き取られた。
To be Continued...
20100225
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