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頬杖をついてそんなことを思っていると風花が顔を上げた。
「菜月、この店のデザート全部食べてたい!」
「……イ、イイけど、お腹壊さないようにね?」
「大丈夫だって。あたし、滅多なことじゃお腹壊さないし」
嗚呼、確かに。
毎日アレだけ大量のホットケーキを食べておいて、全然お腹を壊さないのだから。説得力がある。
深々と頷いてそう思っていると、風花が「決めた?」と聞いてくる。
菜月は自分も決めなければいけないことに気付きメニューを見始める。
適当にランチセットを頼むことにした。
風花も漸く決まり、オーダーすることにする。
店員さんを呼ぶ為にテーブルにベルが置いてある。菜月がそのベルを鳴らすと「只今お待ちを」若い男性の声が聞こえた。
そして若い男性店員がやって来る。
男性は、深緑の髪と若竹色の瞳をしていた。ニコニコと男性店員がテーブルの前に立つ。
「失礼致します。メニューはお決まりで、しょ……う…ッ、あああ?!」
「ン?どうしたの店員ッ、あああ?!」
「え、ナニナニ?!」
若い男性店員と風花の動きが見事に固まる。
菜月だけ状況が呑み込めず首を傾げるばかり。
男性店員は口をパクパクさせながら、風花を指差した。
「り、林道!なんで人間界にいるんだ?!」
「そういう塩峪ッ、あんただってー!なんで人間界にいるわけ?!」
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