6-2
『ダーリン。そろそろ、ねえ?』
『そうだね。そろそろ、恋人らしいことしよっか?でも、俺、何も分からないからンだけど』
『大丈夫!あたしが、あたしが』
「全部教えてあげるって!菜月!」
「ぎゃあああああッ、テーブルが!」
夢の世界に浸っている風花がテーブルを思い切り叩いた。
Q. 風花の馬鹿力でテーブルを思い切り叩くとどうなるか?
A. 菜月の目に映るような悲惨な結果になった。
見事真っ二つに砕け裂けたテーブルを、咄嗟に椅子の上に避難した菜月が唖然として見つめる。
白飯の入った茶碗と箸だけ守れたものの、他の食器や本日のおかずは床に散らばった始末。
冷汗を流して菜月が風花を見る。
風花は、自分の犯した悲惨な出来事にも気付かず、まだ夢の世界に浸っている。
銀色の髪を左右に揺らし「此処まで長かった!」なんて、ひとり喜を噛み締めている。
そんな風花に菜月は空笑い……いやもう笑うしかない。この状況。
新しいテーブルを買う必要があるよねぇ、なんて思いながら菜月は白飯を口に入れて溜息。
余計な出費が今月出てしまった。
ただでさえ、今月は苦しいのに。がっくり肩を落としつつも、
まあ、どうにか風花の誕生日に何か出来そうで良かったと菜月は安堵する。
こうして、迫る風花の誕生日は2人で水入らずにデートをしようということになった。
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