「おまえら、キライだ!」
それから数日。
子供達にはナイショで子供達の生い立ちを調べながらも子供達の世話をして日々は過ぎていった。
一向に情報は入らない上に子供達を目撃した情報を色々掻き集めてみても、有力な情報は得られなかった。
やはり、捨て子なのだろうか?
風花と菜月の脳裏にそんな考えが浮かんでは沈んで沈んでは浮かんだ。
一方、子供達との生活は上々で一緒に食事をしたりお風呂に入ったり寝たりするのは勿論のこと。
子供達と一緒に家事をしたり、買い物へ行ったり、遊んだり。
子供達は腕白盛りで、体を動かすことが大好きなものだから、あかり達を誘って近くの公園で鬼ごっこをしたり軽くサッカーをしたり。
時々子供達が気を緩めてしまい完全にキツネの姿に戻ることもあって、焦った事件もあったが楽しく日々を過ごしていた。
過ぎる時間が2週間目から3週間目に入った頃には、風花も菜月もスッカリ子供達の性格を把握していて、兄弟喧嘩が起きても動じず苦笑しながら止めに入ったり、子供達が泣いたら理由をすぐに聞けるようになっていた。
子供達も完全に、2人を親と思って、本当に嬉しそうに毎日を過ごしていたのだが。
とうとう、子供達の有力な情報が入ってきた。
正しくは飛び込んできたと言うべきだろう。
―――子供達を迎えに店にお客が訪れたのだ。
それは、店の前で子供達が遊んでいた時だった。
付近は森と空き地しかない為、子供達だけで遊ばせていて大丈夫だろうと店の前で遊ばせていた。
風花と菜月はといえば、仕事が入ってきた為に仕事をこなしていた。
内容は、ジグソーパズルを完成させること。
依頼主のご老人がジグソーパズルに描かれている絵が大層気に入ったようで、これを購入したらしいのだが、どうも作るのが面倒だったらしい。
代理で自分達が組み立てることとなり風花と菜月はパズルを組み立てていた。
頭を使うことは菜月の得意分野なので、もうほぼ完成に近く、10分ほどで終わるかと見切りを付けていた時、外から怒鳴り声が聞こえた。
声は子供達の声で、切羽詰った声と怒号が聞こえてくる。
パズルをテーブルの上に放り投げ、風花と菜月が何事かと外に出れば子供達の前に見知らぬ男女が立っていた。
容姿が子供達にソックリなことから、この子達の親だとすぐに分かった。
子供達は、下唇を噛み締め、風花と菜月の後ろに隠れる。
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