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4-18
 
 
「あそこにいるのが、小娘で、あっちが奴隷さ」
「こむすめー?どれー?」


「……悪女ッ」
 

 前言撤回。

 悪女は腐っても悪女だ。


 握り拳を作っているあかりに、風花がニヤニヤ意地悪く笑ってくる。
 舌を出すあかりに、舌を出し返す風花。
 子供は苦手な分類に入っているものだから、子供を泣かせては面倒だとあかりは遠回し嫌味を言う作戦に出た。
 
「イイママさんしてますねー。ですが、風花さんも子供っぽいので、ママというより、姉弟に見えますよー?」
「ッ、小娘……やっだー、そんなに子供欲しいわけ?そりゃーあんたには、彼氏いないからねぇ」
「ッ、い、いやですね。子供と彼氏は別ですよー?大体、悪魔が子持ちって変ですよね。風花さんがまるで、子供を何処からか取ってきたみたいですよ」


「……それってー?あったしがー誘拐したとでも言ってる?」

「あっれー?違いました?それはごめんなさい」
   

 不気味且つ不自然に笑う風花とあかり。
 子供の前だということもあり、言葉を選んでいるようだが、違和感ありありだ。

 ジェラールは仲が良いと2人を評価して菜月が抱いているコン次郎の頭を撫でる。
 照れくさそうに笑うコン次郎は、気が緩んで耳と尻尾が出てきた。


 微笑して、ジェラールは「もしも」と言葉を選びながら菜月と視線を合わせる。


「本気で引き取るなら、その時はジェラールもお手伝いさせてねん」
「嬉しい申し出ありがとうございます。ジェラールさん」
「僕も手伝いをさせておくれ!子供の面倒を看ることは大好きだからな!」
「そうね。ネイリーは、子供大好きだものね。ジェラール、ネイリーの為に子供作るよう頑張ろうかしらん?」


「ウ、ウム……たぶん、いや絶対…無理だと、思うんだが」

 
 というか、頑張って子供ができたら恐い。


 何故って、ジェラールは腐っても中身は男だから。


 ネイリーは冷汗を流しながら、そう思った。
 ネイリーの頭の中は、ジェラール似の子供と自分似の子供が10人ほどいるという大家族の妄想構図だった。こめかみを押さえて、とんでもない想像をしてしまったと溜息をついた。
 


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