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 と、スーパーの店員さんの会話が聞こえてきた。


「困ったわぁ。この子達、どうしましょう」

「取り敢えず事務室に連れて行こうかしら」


 困ったような声を出している。
 何事かと思えば、会話している店員さん2人の傍に3人小さな子供が。

 どうやら迷子らしい。
 親と逸れてしまったようだ。

 子供達はキョロキョロしている。親を探しているようだ。
 早く見つかるとイイなー、なんて思いながら見ていると菜月は子供の内のひとりと目が合った。
 途端、パァと目を輝かせてきた子供に首を傾げる。


 見つかったのかな?と後ろを振り返った時、子供が大きく手を振ってきた。


「とーたまー!」


 とーたま……ああ、とーたまって、お父さんのことだね。やっぱり見つかったのかな。何処にいるんだろう?
 辺りを見回していると、大きく手を振ってきた子供が足に抱きついてきた。



 ま、まさか……とーたまって。



 嫌な予感がして視線を下に向けると、きらきらと自分を見上げている子供ひとり。


「え、あの、まさか……とーたまって、俺のことかな?」

「とーたまー!みぃーつけた!」


 稲妻が走ったような表情を浮かべ、菜月は内心動揺しまくっていた。

 そんな?!
 とーたまって、あのとーたまですか?!俺がとーたまですか?!

 毎日汗水たらして奥さんや子供の為に仕事をこなし、日曜日は家族サービスに精を出す一家の大黒柱に当たる……あのとーたまですか?!
 奥さん持つ前に、とうとう子持ちになっちゃったんですかね?!俺?!
 

 ……そっか、子持ちになったんだ。



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あきゅろす。
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