[携帯モード] [URL送信]
3-4
 
 
 風花は苦笑して次いこうと訴えるあかりを宥めながら、質問を再開。
 菜月にとことん、趣味やら好きな食べ物やら嫌いな食べ物やら、沢山質問をしていった。


 ある程度質問し終わるとあかりがプロフィールに書き込む。

 意外な答えだな、と風花と菜月のプロフィールを眺める。


「改めて2人を知れた気がします」
「だねえ。菜月が、甘いもの好きじゃないって初めて知った」
「風花と俺の身長差が、5cm以上だったなんて……あははは、笑うしかないね」
「ま、まあ?イイんじゃないかな?」
「全然良くないんだけどー……質問、これで終わり?」
「いいえ、裏にまだあります。これは風花さんも、まだ答えてないんで、一緒に答えて下さいね」

 あかりの言葉に、風花は頷いた。
 早速、質問をあかりがする。


「初恋は幾つの頃ですか?」

「……な、ッ、なにそれ?!」


 風花が素っ頓狂な声を上げる。あかりは不思議そうな顔をした。


「そう書いてあるんですけど。幾つですか?」
「俺は19の時が初めてだよ。つまり、今の彼女の風花が初恋相手」
「……うっ、ゆ、赦せ、菜月。あたしは、10つの時なんだ」
「いやいや、別に怒らないって」


「あー!だって仕方ないじゃないか!初恋に落ちたのは、近所に住む兄ちゃんで。結婚してるなんて知らなかったんだから!ちなみに、その兄ちゃん、25歳で可愛い顔してたんだよ!」


 誰が頼んだわけでもないのに、ひとりで初恋話を暴露している。
 顔を赤くして、髪を振り乱している風花に落ち着くようあかりが宥めて、次の質問を!とプロフィールに目を通す。

「じゃ、じゃあ…恋人が初めて出来た歳は」
「19だね」
「ウッ、それも赦せー!菜月!あたし、あんたが初めてじゃないんだ!魔界にいた頃、飯奢らせる為に何人か作った!」

 必死に謝ってくる風花に菜月は微苦笑した。
 
「分かったから、落ち着いてよ風花…って、飯?え?」
「風花さんって、魔界にいた頃は、本当に魔性の女だったんですね」
「でも信じろー!本気で恋したのは、菜月!あんたが初めてだから!魔界にいた頃の男共は、あたしを恐れてたし、あたしの力に縋ってただけっていうか?!あたし自身を見てくれたのは、菜月が初めてなんだよー!」
 
 肩を掴んでくる風花に、「はいはい」と落ち着かせる。
 「怒ってない?」恐々風花が訊ねてくるから、頷けば、安堵したように胸を撫で下ろしている。
 菜月が苦笑して、あかりに次の質問へいくように進めた。



[*前へ][次へ#]

5/7ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!