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風花は苦笑して次いこうと訴えるあかりを宥めながら、質問を再開。
菜月にとことん、趣味やら好きな食べ物やら嫌いな食べ物やら、沢山質問をしていった。
ある程度質問し終わるとあかりがプロフィールに書き込む。
意外な答えだな、と風花と菜月のプロフィールを眺める。
「改めて2人を知れた気がします」
「だねえ。菜月が、甘いもの好きじゃないって初めて知った」
「風花と俺の身長差が、5cm以上だったなんて……あははは、笑うしかないね」
「ま、まあ?イイんじゃないかな?」
「全然良くないんだけどー……質問、これで終わり?」
「いいえ、裏にまだあります。これは風花さんも、まだ答えてないんで、一緒に答えて下さいね」
あかりの言葉に、風花は頷いた。
早速、質問をあかりがする。
「初恋は幾つの頃ですか?」
「……な、ッ、なにそれ?!」
風花が素っ頓狂な声を上げる。あかりは不思議そうな顔をした。
「そう書いてあるんですけど。幾つですか?」
「俺は19の時が初めてだよ。つまり、今の彼女の風花が初恋相手」
「……うっ、ゆ、赦せ、菜月。あたしは、10つの時なんだ」
「いやいや、別に怒らないって」
「あー!だって仕方ないじゃないか!初恋に落ちたのは、近所に住む兄ちゃんで。結婚してるなんて知らなかったんだから!ちなみに、その兄ちゃん、25歳で可愛い顔してたんだよ!」
誰が頼んだわけでもないのに、ひとりで初恋話を暴露している。
顔を赤くして、髪を振り乱している風花に落ち着くようあかりが宥めて、次の質問を!とプロフィールに目を通す。
「じゃ、じゃあ…恋人が初めて出来た歳は」
「19だね」
「ウッ、それも赦せー!菜月!あたし、あんたが初めてじゃないんだ!魔界にいた頃、飯奢らせる為に何人か作った!」
必死に謝ってくる風花に菜月は微苦笑した。
「分かったから、落ち着いてよ風花…って、飯?え?」
「風花さんって、魔界にいた頃は、本当に魔性の女だったんですね」
「でも信じろー!本気で恋したのは、菜月!あんたが初めてだから!魔界にいた頃の男共は、あたしを恐れてたし、あたしの力に縋ってただけっていうか?!あたし自身を見てくれたのは、菜月が初めてなんだよー!」
肩を掴んでくる風花に、「はいはい」と落ち着かせる。
「怒ってない?」恐々風花が訊ねてくるから、頷けば、安堵したように胸を撫で下ろしている。
菜月が苦笑して、あかりに次の質問へいくように進めた。
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