3-2
「答えられる質問から聞きますね。まず、名前と性別とお歳は?」
「林道風花。女。歳は秘密だよ。そこは、星マークにでもしておいて」
「……星マーク。わ、分かりました。歳は秘密っと…次は、身長と体重は?」
「身長は170cmで、体重はフツー女が答える?それも秘密だよ」
「ですよねぇ」あかりが笑う。
体重を答えられるような女性は、そうそう居ないと思う。
体重を書く場所にも星マークを書き入れる。
「お誕生日は?人間界と一緒ですか?」
「向こうと殆ど変わらないよ。あたしの誕生日は、2月17日。みずがめ座だよ」
「なるほどなるほど、じゃあ、血液型は?」
「O型。これも、人間界と同じだね」
「えー?じゃあ、私と同じですか?」
「嘘、あんたと同じ?」
あからさま嫌な顔を作る2人に、ネイリーが「4つしか血液型ないんだから」と呟いていた。
菜月も心底それは思う。
4分の1の確率なのだから、同じ血液型になってもおかしくはないと思う。
だから、そんなに嫌な顔をしても、仕方ないような。
気を取り直したのか、あかりはさらに質問をする。
趣味やら、口癖やら、好きな食べ物・嫌い食べ物やら。
とにかく沢山のことを聞いていた。
菜月は途中から家事に勤しんでいた為、話を聞き流していた。ネイリーは、熱心に聞いているようだ。
ホント、こういうの好きなんだなーと笑っていると風花が「あ!」と声を上げた。
「あたし、菜月のプロフィール。全然知らない!」
「恋人同士でしょう?それはちょっと……誕生日とかも?」
「全然知らない。うわっ、ちょっと、菜月!どういうこと!」
「俺も、風花の血液型とか誕生日とか、今知ったよ……そんな責められても困るしなぁ」
「おお!では僕のプロフィールを教えようか!フロイライン!」
「あんたは要らないっつーの!ねえねえ、菜月!」
「要らない」そう言われてへこんでいるネイリーを余所に、風花は菜月に身長や体重、誕生日や血液型や住所を教えろ!と聞いてくる。
住所は一緒に住んでいるんだから、同じに決まってるではないか。
顔を渋らせる菜月は額に手を当てた。
彼女は言い出したらやるまで、自分の話なんて聞かない。
困り果てた菜月は、落ち込んでいるネイリーに声を掛け「一緒にします?と訊ねる。
途端にネイリーは目を輝かせて、腰に縋り抱きついてきた。
「さすが!親友だー!友情とは、こうでなくてはな!」
「縋り付かないで下さい……嬉しいのは分かりましたから」
「あの……ネイリーさん。菜月くん。風花さんが」
「……え?」
関節を鳴らしている風花。
意地悪な笑みを浮かべている風花は、次の瞬間、ゴンッ!と大きな音を立てた。
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