[携帯モード] [URL送信]
プロフィール帳、見たことありますか?
 
 
 只今、風花とあかりはプロフィールのことで大いに盛り上がっていた。
 話題がどうしてそんな話になった分からないが、あかりが持っていたプロフィール帳を風花が眺めて楽しそうに笑みを浮かべて、風花に説明して笑っている。
 
 あかりが学校の友人と話す為、たまたま持ってきていたプロフィール帳を風花に見たことあるか?と聞いたのが始まりだったのかもしれない。

 興味を持った風花は目を輝かせて、プロフィール帳を見ている。
 プロフィール帳といえば、自分の名前や住所や性格。血液型や誕生日、趣味などを書き込む手帳だ。


 女子の間では、1度は見たことのある代物だろう。


 すっかり蚊帳の外にいる菜月は首を傾げて何が楽しいのだろう?と眺めていた。
 隅で詩を創作中のネイリーは、「2人とも女性だからね」と首を傾げている菜月に言った。

「友達にプロフィールを書いて貰うことで、もっとお互いを知れるだろう?趣味とか、好きなタイプとか、知れると面白いって女性は思うんじゃないかな?」
「はぁー…そんなものなんでしょうか?」
 
 イマイチ菜月には分からない。
 ネイリーは菜月に訊ねる。

「菜月の学校はどうだったんだい?女の子がこういう話題で盛り上がっているところを見たことは?」
「お、俺は、あんまり学校行ってなかったもので」
「それで頭がいいのかい?」
「独学ですけどね。それなり、教科書を読んでました」
「なっ、なんてことだ!君はヒッキーだったのか!」
「うーん……と」

 否定は出来ないけれど、ヒッキーと言われるのはちょっと。
 ネイリーは同情し「家は庵で、蝋燭の下で勉強を」とハンカチで涙を拭いていた。

 ネイリーのヒッキーイメージは、まず貧乏から連想されるようだ。
 どうでもいいが、自分の家は貧乏ではないし、此処なのだけれど。
 
 愛想笑いをして菜月が洗った食器を拭いていると、あかりが楽しそうに人のプロフィールを眺めている風花に「書きますか?」と聞いてきた。


 しかし風花は首を横に振る。


「あたし、こっちの字、自分の名前しか書けないし…魔聖文字は、書けるけど、あんた読めないだろ?」
「ウーン。じゃあ、私が質問しますので、風花さんが答えて、私がプロフィールの紙に書くってのはどうです?折角ですし」
「ならやる。楽しそうだし?」

 頬杖を付いて笑う風花は、丸っきり子供の喜び方だ。


 したくてしたくて、堪らなかったのだろう。


 風花の様子に菜月は細く笑って、様子を見守ることにする。
 あかりはプロフィール帳から真新しいプロフィールの紙を1枚取り出して、通学鞄から筆箱を取り出すとシャーペンを手に取る。咳払いをすると、早速、と風花に質問し始めた。



[*前へ][次へ#]

2/7ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!