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「ワニって、やっぱり凶暴ですよ!噛まれたからでは遅いんですし…動物園とかに預けるとかどうです?きっと引き取ってくれますよ」
「ウーン…だけどなあ」
「そうしよう!菜月!家にワニがいるなんて…恐ろしくて、眠れないし」
「ホラ、風花さんもこう言ってますよ。風花さん爬虫類駄目だそうですし…」
すると菜月は「そうなの?」と驚いていた。
風花は、何度も言ってるし…と溜息をつく。
あかりは菜月に「彼女さんですし、お願い聞き入れましょう」と説得した。
暫し菜月は悩み始めた。
これは、イケるんじゃないか!
あかりは思った。
これで借金のことも…と期待に胸を膨らませていると、菜月は笑顔で頷いた。
「俺が、克服させてあげるからそこは大丈夫だよ」
「ちょ…っ?!ダーリン?!」
「いつもいつも、お化け克服してくれる為に風花が付き合ってくれるし。大丈夫!じっくり傍にいれば可愛いよ!」
一緒克服しようね、と風花の手を取って微笑んでくる。
本人は悪意、全然ないのだが風花にとっては地獄同然。
さらに、菜月はあかりにも微笑んで「苦手でしょ?」と聞いてくる。
此処で苦手と答えれば風花と同じ道、此処で好きと答えても結局は風花と同じ道。
あかりは素直に「苦手です」と肩を落とす。
「じゃあ、あかりさんも一緒に克服しようね。動物可愛いから。植物も可愛いけど。あ、明日ペットショップ行って蛇買おっか!」
「ま、まだ増やすのか?!」
「クネクネは大きいし…小さい奴だったら大丈夫。すぐ克服できるって!さあ、楽しみだね。また増えるんだよ」
2人の手を取って目を輝かせる菜月、ああ…最強だ。
説得するどころか、隙もなくさらにペット増やします宣言をしてしまったし。
(…人生、楽しちゃイケないって勉強になったなー……)
(また増えるんだ…あー、クネクネにワータンにベジタリアンに…この店、いつか動物園か植物園にでもなるんじゃないかなぁ)
思い思いのことをそれぞれの胸に抱いて、風花とあかりは溜息をついた。
2人を笑い飛ばすように新入りのワータンが、ニカッと歯を剥き出しにした。
勿論、この時点であかりの借金チャラのお話がパァになったのは言うまでもない。
End
2007.08.31
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