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「クーネクネ!ご飯だよ!おーいでー」
菜月の声が聞こえた。
2人は声のする方に向かって、歩き出した。
早足で菜月の声のした方角を早足で歩けば小さな野原のような場所に出た。
沢山柵がしてある中、菜月は餌を動物達に与えていた。
先程呼んでいたクネクネも2人の背後から出てきて2人はヒィ!と悲鳴を上げる。
野原を這って、菜月の足元に来たクネクネの頭を撫でて餌を与えていた。
「可愛いな、大きくなったよね」
「…な、菜月くん」
「あかりさん?風花も?どーしたの?よく此処が分かったね。此処迷路みたいだからさ」
「迷路のようになってるんですか?!」
「うん、普通のガーデニングじゃ面白くないからね」
此処までするのに、苦労したよ、とか笑っている菜月が少々憎い。
普通にガーデニングしてくれないだろうか?頭がいい菜月のことだ。
きっと、此処までするのに設計図なんか描いて作り上げたのだろう。
菜月の後ろを見ると柵別に色々と、動物が餌を食べていた。
ウサギや猫や犬のように可愛いものもいれば、蛇やイグアナ、それにワニ等などの爬虫類系も。ワータンも餌を食べていた。
「あ、あのー…ワータン」
「柴犬のウキトギリアや三毛猫のタイフーンとは別の柵に入れてあるよ。食べちゃったら悲しいしね。ワータンはイグアナの梅さんと蛇のクネクネと一緒だよ」
「何ですか、その名前…」
「ちなみにあそこのウサギはベジタリアンね」
ウサギにベジタリアン。
そりゃウサギの好きなものは人参とかキャベツとか。
気持ちは分かるが、もっとイイ名前を付けてあげても。
救いがあるのは、皆が皆、菜月に懐いているということだろうか。
あかりと風花がシンクロしたように、同じことを思っていると思い出したように風花がワータンを指差した。
「あれ、やっぱ飼うのはヤメよう!命が危ないって!」
「大丈夫だよ。ワータンは中庭で飼うし、人は襲わないしさ」
さっき足に噛み付こうとしてたではないか!
ぶんぶん首を横に振って、風花は無理だと言うが菜月は笑うだけ。
風花はあかりに救いを求める。あかりは加勢するように、風花の味方に付いた。
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