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ちょっとしたジャングル……?!!
 


 が。
 
 
 中庭の出入り口となっている窓を見た瞬間、あかりは悲鳴を上げそうになった。
 中庭の出入り口から見える青々した草や木々、どう見ても庭なんてモノ見当たらない。


 これが庭なんて恐ろしい。


 全体を見渡せないし、地面を見れば植物が綺麗に植えてある。
 可愛らしい花をつけている植物さえ、ジャングルのような庭を見れば可愛さ半減だ。

「な、な、なんですか!これ!ジャングル?!」
「……全部、菜月が育て上げた奴…此処までになると、あいつもプロ並だよねぇ」
「プロって問題じゃないですよ!」
「あははは、駄目だ。見れば見るほど笑えてくる」
「現実逃避しないで下さい!」
 

 目を細めて笑う風花を揺する。


 恐ろしいほど静かなジャングル(元・中庭)はとてもとても恐怖心を煽ってくる。
 風花自身も、此処までジャングル化した中庭に入った事はないという。

 しかし、今すぐに説得しなければ菜月はきっと家に置いてしまう。
 傍にいる時間が短ければ、短いほど説得できる可能性が大きい。

 

 借金チャラの為にも、この中を進まなければ!


 
 2人は意を決して、ジャングルとなっている中庭に足を踏み入れた。
 恐る恐る中を進んで行けば行くほど、思う。


 薄気味悪い!


 天を仰げば、薄っすら空が見える。空が遠い。
 どれだけ、木々が育っているのか分かる。

「…風花さん、気味悪いですね」
「ホント…3年前の面影は何処にいっちゃったんだろ」
「何か出そうでえええええ?!ぎゃあああ!風花さん!」
「ど、どうっ!ク、クネクネ?!」

 あかりの悲鳴に風花があかりの方を見れば、あかりの指差した方向に大きな蛇が木の枝で舌を出しながら、こちらを見下ろしている。
 風花曰く、あれがクネクネらしい。


 「あんなにでかくなかったのにー!」風花は叫びながらあかりの手を引いてダッシュした。
 


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あきゅろす。
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