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*Platonic love (雅陽&いばら)



雅陽元帥といばらの大人的恋愛会話。
色んな意味で二人は良いコンビ(?)だと思います。似たもの同士な奴等。


 * *



「女を口説いて何が楽しいかだ? んなの、決まってるだろ。女の墜ちる姿を見るところ」


 
 パライゾ軍の元帥の返答にフーンってあーたしは反応した。

 予想はしていたけどね。
 だーってあたしだって人が墜ちるところ見るの好きだし。

 似たり寄ったりの考えを持っているから、雅陽の考えは何となく予想していた。
 足を組みなおして肘掛に肘を置いて頬杖を付いている雅陽は、あたしを見据えてきた。
 
「で、その質問の意図は?」
「勿論、暇潰し」
「何だよ。俺はてっきり“あたしを口説いて”なんて誘うと思ったんだがな。誘われたら、口説いてそのまま寝台直行。大人の夜を過ごす。わぁお素敵な展開。口説いてやろうか?」
「口説いてきてもイイケド、あーたし、そう簡単には墜ちないし?」

 ネイルを塗りたくった爪を眺めながら答える。


「だーけど淋しい夜を過ごしてるなら考えてアゲルよ。あーたしも淋しい夜は過ごしてるし。元帥・竜夜雅陽」

「へえー。大層、しおらしく思わせ振りな台詞を吐いてくるな。歪、いや闇夢鏡いばら」
 
 
 口角を微かにつり上げてくる雅陽は、楽しそうにあたしを見て来る。
 あたしの挑発に気付いてるんだろうねぇ。普通、こうやって男に台詞を吐いたら飛びついてくるっていうのに、雅陽はあたしの出方を窺ってるって感じ。
 隙あるように見せかけて、抜け目のない男だと思う。竜夜雅陽って男は。
 
「特定のヤツを作ろうとは思わないのー?」
「また変わった質問をするな。お前を特定のヤツにしてやろうか?」
「うわぁ、思わず落ちそうな台詞」
「抱かせてくれたらの話だがな」
「うわぁー…前言撤回。女の子が聞いたら『サイッテー』って幻滅されるよー?」
   
 
「ッハ、クダラネェ。恋愛なんざそういうものだろ。プラトニック関係だろうが、ナニ関係だろうが、全ての恋愛には何処かしらに必ず欲が隠れている。好きになったその時点で欲を抱くんだ。性欲も好意も同じ欲の塊だろうが。欲の塊に綺麗もサイッテーも何もクソもねぇと思うんだがな。結局は同じ欲だろ? 違うか?」
 

 確かにね、どーかん。
 雅陽は不敵に笑った。

「まさか憧れているのか? プラトニックラブ」
「かもねー」
「悪魔がねぇ。仮にもそうだとしたら、とんだお笑い種だな」
「元帥さーん。あーたしとプラトニックラブ目指してみる?」
「うぇ…ゼッテー無理。そんな生殺しな関係になるなんざ、死んでもごめんだ」
「気が合うねぇ。あーたしも絶対無理。特定のヤツを作ったら尚更、プラトニックラブなんて無理ー」
「俺を特定のヤツにしてみりゃいいのになー」
「本気で言ってるのー?」
「ああ、本気のホンキ」


「もしかして口説いてきてる?」

「だったらどうする?」


 目を細めてあたしの出方を窺っている元帥。何を考えてるのか、このあたしでも分からないんだから恐ろしい男だね。ホント。
 こいつほどプラトニックって言葉が似合わないなー。


 ま、そういうあーたしも、

 
「ねえ、あーたしにプラトニックって言葉。似合うと思う?」
「お世辞でも似合うなんざ言いたくねぇな」

 
 やっぱりね、言うと思った。


 End
 
 
 
雅陽といばらの大人的会話。
挑発し合い、発破を掛け合い、相手の出方を互いに探っています。彼等の関係ってそんなカンジ。



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