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*ぼく、今の自分が大好きです(流聖)

 
菜月たちが人間界に帰ってちょっと日が経った隠れ村の日常です。
まだまだこれから問題を解決していく最中、ちょっとした隠れ村の平和話。
 
 
 * *
 
 
 生まれた時から、ぼくは片方しか翼がありませんでした。
 物心付いた頃には他の人と違うんだと自覚、そして自分の存在がケガワラシイんだと知りました。ぼくを育ててくれていたおじさんやおばさんが、近所に住む人達がそんな眼を向けてきたからです。

 だからぼくは、自分が恥ずかしい存在なんだって思っていたんです。


 でも、今は全くそんなことを思ってないんです。

 
「オカワリー!」
「あらあら、食欲旺盛ねぇ。流聖は」
「それってダメなんですか?」
「そんなことないぞ。男の子はもっと食わんといかん。さあ、食べなさい」
 
 ぼくを引き取ってくれたルウおじいさんが笑ってきてくれました。
 ぼくは、嬉しくて元気良く頷くと、メアおばあさんにお皿を渡しました。

 今、ぼくは隠れ村という村に住んでいます。
 この村は凄くぼくにとって住みやすく、ぼくにとって安心をくれる居場所なんです。

 そして、ルウおじいさん、メアおばあさんと一緒に暮らしています。
 2人とも、とっても優しくてアッタカイ人なんです。片方しかない浅ましいぼくを引き取って、本当の子供のように優しくしてくれるんです。

 まだ一緒に住み始めて、そう日は経ってないけどスッゴク仲良くなりました。

 ぼくは食事を終えると、2人に外で遊んで来ることを言いました。
 2人が「遊んでおいで」って言ってくれるのを合図に、外へと遊びに行きます。(外と言っても、隠れ村内なんですけどね)


 今日は何をして遊ぼう。


 昨日はデキたばっかりの友達と沢山遊んだし……どうしようか悩んでいると拓海お兄ちゃんと会いました。


「よっ。流聖。今日も元気か?」
「元気です! お兄ちゃんは?」
「僕も元気だよ。お仕事さえなければパァーって遊びたいな。流聖、僕とこっそり遊ぶか」
「たくミ。何、逃げようとしていル。大人は仕事だロ?」
「げぇっ。リラ……分かったわかった。今行くよ」
 
 肩を落として拓海お兄ちゃんが、リラお姉ちゃんと一緒に何処かへ行ってしまいました。
 ぼくは手を振って、ミルエルお姉ちゃんに会いに行くことに決めました。


 ミルエルお姉ちゃんは井戸で水を汲んでいました。
 ぼくは、ミルエルお姉ちゃんに声を掛けます。

「ミルエルお姉ちゃん!」
「あら? 流聖。元気?」
「元気です! ミルエルお姉ちゃんは?」
「ワタシも元気よ。あ、そうだ。さっき郡是隊長達が見回りから帰って来てたわ」
「え? ホントですか?」
「挨拶しに行ってらっしゃい」
 
 ぼくは頷いて、ミルエルお姉ちゃんに手を振ると走りました。
 隊長のお兄ちゃんは、きっと村の広場にいる筈!
   


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あきゅろす。
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