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8-7

  

 愛しきネイリーの為ならば何だってする。


 貫いて見せよう、オカマ魂。

 貫いて見せよう、セントエルフ魂。



 貫いて見せよう、ネイリーに対するこの不滅の愛。



 間違った方向に燃えているジェラールに、ネイリーが小さく咳き込みながら肩を落とす。


「やはり、僕は自然に治るのを待つことにするよ。此処まで大騒動になると……血を飲む気さえ無くなるというか」
「ネイリーさんの気持ち、私も分かります」
「ジェラール。女だねぇ。あたし、ちょっとばっかし感動したよ」
「風花さん。何処に感動がありましたか?」

 冷静にツッコミを入れるあかりは、頑なに血を飲むことを拒むネイリーを横目で見た。

「私の血を飲めば全て解決するんじゃ」
「それは僕のポリシーが許さないのだよッ……ゴッホゴホ」


「やぁーん!ネイリー死んじゃヤーよ!ッ、菜月!此処は腹を括って!ネイリーの為に生贄となって頂戴!ジェラール、お友達は大事だけど、ネイリーはもっと大事だから!でも大丈夫、怪我させたところはちゃんと治すわぁ!」


 ヒーリングレイピアの刃先を菜月に向ける。
 ひぃいい!と悲鳴を上げる菜月はブンブン首を横に振って、風花にしがみ付いた。

「うわぁあああん!恐いよ、風花ー!ジェラールさん、目が本気過ぎるよぉおおお!俺、殺される!」
「ちょ、落ち着けって。ジェラール。さすがに菜月を殺すことは」
「殺しはしないわ!生贄に捧げるだけよん!」
「生贄って……ッゴッホ、僕は一体全体。何だと思われているのだろうか?」

 ネイリーのまともな意見に「全くです」とあかりは同意する。
 風花は泣き叫ぶ菜月の背中を擦り、落ち着くようにジェラールを宥めると知り合いに人間の男がいないか考え出す。
 

「菜月以外の男。菜月以外の……ウーン」

「あっ、そうだ。東西がいますよ」


 自分の幼馴染の存在を忘れていた。
 雪之介や手毬は無理でも、冬斗は男の人間でネイリーも血が飲める筈。
 


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