[携帯モード] [URL送信]
*クロユリな主人とシルソイデスな執事
いばら×菜月×いばら


   
※いばらの誕生日記念に書かせて頂きました。
カップリングに要注意して下さい;;
  
苦手な方は回れ右をして下さい!
苦情は一切受け付けておりません;;



 
パラレル。
我儘お嬢様いばらと、振り回される執事菜月の話。


 * *
    
 
「本日の予定を申し上げます。午前中はピアノを9時から11時まで。休憩を35分ほど挟みまして」
「パス」

「では、午後の予定を申し上げます。13時半から18時まで英会話が」
「パス」

「……21時から22時まで」
「パース」

 
 人の話を最後まで聞かず、パス宣告を出した主人に菜月は溜息をつく。
 スケジュール帳を閉じると「我が儘言わないで下さい」と主人に視線を送れば主人は自分の爪を眺めている。「全部パスしておいて」と足を組みなおすモノだから、菜月は大きく溜息をついた。

「お嬢様。申し上げます。昨日も同じ事を申し上げました」
「ンー。だねぇ」
「その際、お嬢様は『明日からはちゃんとする』。そう俺に仰いました。覚えていますか?」
「覚えていマース」
「では、ちゃんと」
「言ったけどぉー? やる気がない」
 
 漆黒の髪を弄くりながら、主人はダルそうに言う。
 なんて主人だ。昨日も一昨日も同じような事を言ってサボッたではないか。今日もサボるつもりだろうか。


 今日という今日は全てのスケジュールをこなしてもらわなければ、自分のクビが危うい気が。


「午前中だけでも宜しいのでレッスンを受けて下さい」
「やっだ。あの狸ジジイー好きじゃないし口クサイし。全部クサイし。セクハラ的眼差し向けてくるし」
「と、言われましても」
「イイじゃーん? 受けるのはあーたしなんだから、あたしの自由で。それに、あたしのスケジュールは決まってるの」
「……どのような予定で?」
「午前中は執事とお喋り。午後は執事とお出掛け。夜は執事と色々諸々」


 ニヤリと笑う主人に菜月は頭を掻いた。

 それでは昨日の予定と一緒ではないか。


「お嬢様。俺、いつか解雇されそうなのですが」
「へえ、誰に? 誰の許可を得て解雇するわけー? まさか、親父のこと? バッカ、あのジジイの言いなりになることないし」
「俺は雇われの身ですけど」
「ジジイが解雇しても、あたしが解雇しない。契約継続。なにせ、あーんたは、あたし専用の執事だから。OK? それに」
「それに?」


「あーたしが誰かと2人っきりになるなんて、あーんた赦せるの?」

 
 射るような眼差しに菜月は、一瞬戸惑うがすぐ笑みを浮かべる。
 スケジュール帳を開いて「今日は全てパスですね」と走り書きし再びスケジュール帳を閉じた。肘掛に肘をついていた主人は媚びた笑みを浮かべる。

「解雇されていーの?」
「俺はお嬢様専用の執事なので。解雇宣言を出せるのはお嬢様だけです」
「フーン。じゃ、主人はあたしだけってことだよねぇ?じゃあ、あんたの全部、あーたしに頂戴」

 挑発したような言い方をする主人。
 菜月が微笑み返す。
 
「俺は、いばらお嬢様専用の執事ですよ」
「なーるほどね。あたしの都合で解釈してイイ? あーたし、ご都合主義」
「どうぞ。その代わり、契約破棄なんてデキなくなりますけどね。いえ、俺を雇った時点でもう遅いですけどね」
「ヒュー。言うじゃん」

「それに」
「それに? なあに?」


「俺以外の執事を雇うなんて赦しません。俺以外の誰かと過ごすことも赦しません。いばらお嬢様。貴方は、俺だけの主人になって一緒に過ごしておけばイイのですから」

「上等」


 不敵に笑う主人が腰を上げる。
 こちらに向かって歩いてくると、菜月の蝶ネクタイを触り両端を引っ張ってまたひとつ笑う。


「あんた、一生あたしの執事ね」

「仰せのままに。お嬢様」


End
 

ちょっと一言。
2人の関係はまさにお嬢様と執事。(本編でもきっとそうだと思います)
いばらと菜月が恋人になったら、たぶん恋人なんて言葉じゃ生温い関係になると思います。
束縛し合うという言葉が相応しい。
本編のイメージでいばらが一方的に求める感じがしますが、菜月も同じように求めます。それこそ束縛したい為に。
いばらの影響で、菜月も直ぐにいばらに感化され染まってしまうと思います。ピュアボーイ故に染まりやすいんでしょうね。


本当ならば、もっと深く書きたかったんですが。
色々自粛しました。止まらない気がして;;

私の中で、この2人は、
妖しくどこか危うく、でも艶やかな大人の関係だと思っています。




[*前へ][次へ#]

7/22ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!