Parallel
7
………嫌われたままなのは、相変わらずらしい。
親の仇のように睨み付けられ、オレは困ったように苦笑する。
「……………な。」
「…は?」
小さく呟かれた言葉を聞き逃したオレは、思わず聞き返す。
何故か顔を赤くした日下部さんは、オレを睨んだまま、叫ぶように言い放った。
「…勘違いしないでくれ!!か、可愛いなんて思ってないんだからな…!!」
「……………………。」
呆然とし、口を開けたままのオレの横を、日下部さんは足早に通り過ぎる。
オレはその後ろ姿を見送り、ぽつりと呟いた。
「…………や、知ってますけど…?」
何がどうなって、そんな結論に至ったんだか分からないが、取り敢えず置いていかれるのはマズイ、とオレは彼の後を追う。
クスリ、と笑いながら、此処って意外と変な人が多いよな、と胸中で呟いた。
あの男の気紛れから始まった、いつ崩れるとも知れぬこの時間に…この場所に、オレはいつしか、執着し始めてしまっていた。
弱いオレは祈るように、願う。
終わりの瞬間が、一秒でも遅ければいい、と。
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