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「性悪は誉め言葉として受け取っとくわー。」


朱雀さんは、いつもの調子でニヤリと笑った。



「性悪ついでに、良い事教えたろ♪」
「百パ悪い事だソレは。聞くな、陰。」


にじり寄って来る朱雀さんに、青さんは即座に返し、オレの耳を塞いだ。


「ちゃーんと良い案や。」


朱雀さんは、青さんの手を外し、胸を張ってそう言い切った。



「陰は、総長に子供扱いされたくないんやろ?」


「…別に、子供扱いは嫌いじゃないです。……ただ、差があるみたいで、寂しいなぁって。」


甘やかしてくれる手も、優しい笑みも、大好きだ。

恋人同士になっても、ソレは変わらない。


…でも、ふとした時に感じる差が、寂しい。


黒さんは、いつも余裕で大人。
取り乱したりする事は、絶対無い。


…比べたりするものじゃないって分かってるけど、オレばっかりが、好きみたいで…。



ほんの少しだけ、哀しいんだ。


「…差、ねぇ。オレには全く見えないがな。 」


青さんは、独り言みたいに、そう呟いた。


「でも陰は不安なんやろ?なら、試してみればいいやん。」


朱雀さんの言葉に、青さんは、身を堅くした。



「……ちょっと待て。……………誰がその恐ろしい役をするんだ。」


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