Under 2 「性悪は誉め言葉として受け取っとくわー。」 朱雀さんは、いつもの調子でニヤリと笑った。 「性悪ついでに、良い事教えたろ♪」 「百パ悪い事だソレは。聞くな、陰。」 にじり寄って来る朱雀さんに、青さんは即座に返し、オレの耳を塞いだ。 「ちゃーんと良い案や。」 朱雀さんは、青さんの手を外し、胸を張ってそう言い切った。 「陰は、総長に子供扱いされたくないんやろ?」 「…別に、子供扱いは嫌いじゃないです。……ただ、差があるみたいで、寂しいなぁって。」 甘やかしてくれる手も、優しい笑みも、大好きだ。 恋人同士になっても、ソレは変わらない。 …でも、ふとした時に感じる差が、寂しい。 黒さんは、いつも余裕で大人。 取り乱したりする事は、絶対無い。 …比べたりするものじゃないって分かってるけど、オレばっかりが、好きみたいで…。 ほんの少しだけ、哀しいんだ。 「…差、ねぇ。オレには全く見えないがな。 」 青さんは、独り言みたいに、そう呟いた。 「でも陰は不安なんやろ?なら、試してみればいいやん。」 朱雀さんの言葉に、青さんは、身を堅くした。 「……ちょっと待て。……………誰がその恐ろしい役をするんだ。」 . [*前へ][次へ#] [戻る] |