Others
6
「…オレらと違って、女の子は、そーゆー行為で傷つくんだ。一生残る傷になるんだぞ?体も心も。……お互い割り切っていたとしても、大切に扱え。」
甘やかしたりしないで、オレは楓の目を見て言い聞かせる。
コイツが女の子を乱暴に扱うとは思えないが、きっと言動では大きな傷をつけていると思う。
叱るように瞳に力を入れると、楓は目に見えて萎れた。
しゅーん、と見えない犬耳が垂れ下がっているようだ。
「…ごめんなさい、桜。……嫌いになりました?」
だから…その優しさや可愛いらしさを、女の子に向けろよ…。
オレに向けてどうする。
「……嫌いになんてならない。」
オレはため息とともに、そう吐き出した。
そう。
嫌いになれるわけがない。
どんなに最低野郎でも、オレにとっちゃ3人は、大切な幼馴染なのだ。
だからこそ、女の子とも、上手くいって欲しいのに。
大切な幼馴染が、心から大切に出来る人と恋人同士になって、幸せになってくれれば、オレも心置き無く自分の恋を探せるのに。
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!