Others
19
「…補佐?そんな役職、あったんだー?」
オレの言葉に、叶は苦い顔で頷く。
「生徒会役員は、各々、一人ずつ補佐を持てる。当人の承諾と生徒会顧問の承諾さえあれば可能だ…表向きは。」
まぁ、予想は付く。
今迄、補佐の役職についた人がいない事と、生徒会の人気っぷりを見れば、答えは自ずと出る。
「……親衛隊、かぁ。」
「…そうだ。」
重々しく肯定した叶の顔を、オレはじっと見つめる。
「ねぇ、かのー。」
「…何だ。」
「親衛隊の皆さんを、集める事って、出来るー?」
「…………………。」
叶は、オレの言いだすだろう事位、とっくに予想済みだったのか、堅い表情のまま黙り込んだ。
「…………。」
でも、オレは目をそらさない。
ねぇ、叶。
オレの親友なら、オレが言いだしたらきかない事も、知ってるでしょ?
ただ、じっと見つめ続けるオレに、根負けする形で、叶は深くため息をついた。
「………早くて、明日の放課後だぞ。」
二重丸の回答に、オレはにっこりと笑った。
「充分だよー。」
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