Others
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何故かぎゅうぎゅう抱き締められながら、オレは、はて?、と首を傾げる。
「…ねー、かのー?」
「何だ?」
「かのーって、書記の親衛隊の隊長さんじゃなかったー?」
オレの記憶が正しければ、親衛隊に入るってのは、その人が好きってコトだし、隊長ともなれば、その好きの度合いも結構大きいモンじゃないの??
「確かに隊長だがな。別になりたかったワケじゃない。周りのチワワ愛でてたら、いつの間にかなっていただけだ。」
……つまり、書記親衛隊は、書記親衛隊長親衛隊(ややこしー)みたいになってるってコトですか?
「…でも、書記のヒトが好きだから親衛隊に入ったんでしょー?そしたら、好きなヒトに近付こうとしてるオレの方を嫌うモンじゃないの?」
オレがそう言うと、体を離した叶は、真剣な顔でかぶりを振った。
「…あのな、ジロ。オレはペットに抱く愛玩の気持ちと、好きな人に抱く恋心を、一緒にするつもりは無いぞ。」
………かのー。
良い事言ってる風だけど、酷ぇよー…。
「…せめて友情と愛情って言って欲しかったなぁー。」
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