Others
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男同士でこの格好は、如何なものだろう、と思わないわけでもないが、
機嫌良く膝に懐く会長を見ていると、無下にもできず…オレは、しょうがないなぁって、苦笑した。
手触りのいい黒髪を、サラサラと撫でていると、やがて静かな寝息が聞こえてきた。
ちょっとビックリしながら、そっと会長の顔を覗き込むと、本当に寝ているようで、オレは内心、驚きを隠せない。
会長と知り合ったのは、ほんの数ヶ月前で、まだ知らない事の方が多いくらいだけど、それでもこの人が、人前で寝るような人でない事は分かる。
…相当、疲れてたんだろうなー。
あり得ない量の仕事を、寝食を削ってこなしてたんじゃないかな。
誰かに頼るのをよしとせず、またプライドの高い人だから、出来ませんなんて死んだって言わないだろう。
…サラ、
髪を撫でながら、オレは考える。
ねぇ、会長
オレ、何か出来るかな?
不器用で頭良くないけど、
少しでいいから、貴方の助けになれないかな…?
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