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Others
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「……もしかして早乙女も、親衛隊あるのか?」


やり直す前の未来では、生徒会役員のほとんどに、親衛隊があったように思う。


しかし今の早乙女は、生徒会役員ではない。親衛隊が出来るにしてもまだ先だろうと楽観視していた。


困り顔でオレが問うと、白鳥はかぶりを振った。


「いや、親衛隊は無い。出来かけたのを、本人が解散させたらしい」

「……」


つまりは親衛隊は無くても、それ相応に人気はあるって事だな。


「早乙女はあの通り、美少女と言っても通りそうな容姿だろ?アイツのファンは、基本ゴツい野郎が多い。可愛い系の奴が近寄るならともかく、お前みたいに格好良い奴が近寄ったら……分かるだろ?」


成る程、つまりは排除されるかもしれない訳だ。
オレは短く息を吐き出し、笑った。


「白鳥に、格好良いって言われちゃった」

「真面目に聞きなさい、イケメン」


場を和ます為、茶化して言えば、真面目な顔した白鳥にデコピンされた。
良い奴だね、白鳥。


「それに早乙女は、オッケーしないと思う。アイツ、人嫌いだしな」


副会長は、基本馴れ合いを好まない人だった。
異国の王子のような美貌に物腰、けれど柔らかさは微塵も無い。擦れ違った事は数度あれど、視線が合った事は皆無。
好意を寄せる少年らも、一刀両断。にべもなく断られていた場面を目撃した事がある。


無謀……確かに無謀だな。
でも、話してみなけりゃ、何も分からない。


人づての噂だけで判断していたら、今までと変わらないだろう、オレ。


そう己を奮起させ、心配そうな白鳥を宥めたオレは、早乙女へと近付いて行った。


「……」


早乙女は、壁にバウンドさせながら器用に一人で練習をしていた。
二クラス合同な為、体育館の中の人口密度は結構高いが、彼の周りはまるで立ち入り禁止区域に指定されているが如く人がいない。
ラインが引かれているのかと目を擦りたくなる程、キッチリとした半円の空間が出来ていた。その半径は約3メートル程。


……非公認のファンクラブで、取り決められてたりすんのかなぁ。
九郎様の半径3メートル以内に、立ち入りを禁ず!とか……あり得るな。


想像して、渇いた笑いが洩れた。笑い事にならない予感はヒシヒシとするが、深く考えたら負けだ。


「おーい、早乙女」


心が挫ける前にと、オレは何気ない風で声をかける。
一瞬で、周りの空気が変わった気がした。


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あきゅろす。
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