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人気の高い彼ら生徒会も、僻みによる心無い誹謗中傷がなかったワケではない。
表立ってではないが、顔や家柄だけで選ばれたなんて陰口をたたく奴だっていた。


けれど会長は、それらを知りながら処罰するのではなく、実績で以て彼らの口を閉じさせたのだ。


一回だけ、『悔しくないの?』と聞いたオレに、『力でねじ伏せるなんて、三下のやる事だ。』とアッサリ言った彼は、不言実行の人だと思う。


権力で脅すのでは無く、生徒の意見を纏め、学校側を納得させる草案を出し、幾度も重ねた話し合いの末、生徒達の自由を増やし、且つ、切磋琢磨出来るようなシステムをつくりあげ、学校をより良くしていった。


彼の案が可決した時、『見たか』と誇らしげに言った彼の顔を、オレは忘れない。


「うちの会長は、どこの会長にも負けない一番凄い会長だよ。一番かっこよくて一番頑張ってる、自慢の会長。」


オレがそう言うと、会長は泣き笑うような顔をした。


笑おうとして失敗したみたいな複雑な顔で、会長はオレに手をのばす。


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あきゅろす。
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