Others
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本気モード入ってるらしい会長の処理速度も、まるでマシーンの如く高速だが、それでも減ってるようには、あんまり見えない。
オレは大好きなクッキーを食べる事なく、会長を見つめていた。
カリカリと万年筆を走らせる音が、時折止まる。
眉間を揉み解すように親指で押さえる姿に、オレは何となくさっきの会長の言葉を思い返した。
『他の役員の奴らは、最近はよっつかねぇしな。』
…そうだ。
最近、昼休みも放課後も、けーわい君と他の生徒会の人達が遊んでいるのを、よく見かける。
運動部の大会が多いこの時期、生徒会が暇な筈無いのに。
合宿の許可及び、遠征の費用申請。
大会の勝敗も把握せねばならず、尚且つ、運動部が大会となれば、応援団、吹奏楽部も連動してくる。
許可証に判子とか、最終的なオッケーを出すのは会長の仕事だけどさ。
過去の実績に基づいての、追加予算の編成や割り振りは、会計の仕事。
大会の勝敗の把握や文書制作は書記の仕事で、
それらの細やかな指示やサポート、そして、忙しい会長を支えるのは、副会長の仕事でしょ…?
何で、この人が一人で、到底一人分とは思えない仕事してんの?
何で、他の人は遊ぶ余裕があるのに、
何で、会長一人が、目の下にクマつくって働いてんの…?
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