[携帯モード] [URL送信]

Others
7


本気モード入ってるらしい会長の処理速度も、まるでマシーンの如く高速だが、それでも減ってるようには、あんまり見えない。


オレは大好きなクッキーを食べる事なく、会長を見つめていた。


カリカリと万年筆を走らせる音が、時折止まる。


眉間を揉み解すように親指で押さえる姿に、オレは何となくさっきの会長の言葉を思い返した。



『他の役員の奴らは、最近はよっつかねぇしな。』



…そうだ。



最近、昼休みも放課後も、けーわい君と他の生徒会の人達が遊んでいるのを、よく見かける。


運動部の大会が多いこの時期、生徒会が暇な筈無いのに。


合宿の許可及び、遠征の費用申請。
大会の勝敗も把握せねばならず、尚且つ、運動部が大会となれば、応援団、吹奏楽部も連動してくる。


許可証に判子とか、最終的なオッケーを出すのは会長の仕事だけどさ。


過去の実績に基づいての、追加予算の編成や割り振りは、会計の仕事。

大会の勝敗の把握や文書制作は書記の仕事で、

それらの細やかな指示やサポート、そして、忙しい会長を支えるのは、副会長の仕事でしょ…?


何で、この人が一人で、到底一人分とは思えない仕事してんの?


何で、他の人は遊ぶ余裕があるのに、


何で、会長一人が、目の下にクマつくって働いてんの…?


.

[*前へ][次へ#]

7/79ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!