Others
6
生徒会室に着くと、会長に、座ってろ、と促されたオレは、大人しくソファーに座った。
皮張りのソファーは、高級品だけあって、座り心地も半端無く、密かに感動していたのは内緒だ。
カチャカチャと、会長が茶器を用意する音と、部屋の壁に掛けられた時計の無機質な、秒針が進む音だけが部屋の中に響く。
本当に、誰もいないし。
さっき、けーわい君と一緒に、寮に帰っちゃったんだろうなぁ。
「待たせたな。」
会長はそう言って、オレの前に、ココアの入ったマグカップと一緒に、美味しそうなクッキーの缶を置く。
「おぉー。」
目を輝かせるオレに、会長は、全部食っちまっていいぞ、とオレの髪を撫でつつ言った。
「急ぎの書類だけ片付けたら、オレも帰るから、少しだけ待っててくれるか?」
「…………。」
オレは会長の言葉に、無言のまま、コックリと頷く。
会長はそれに満足そうに頷き、自分の執務机に向かった。
………待ってるのは、全然いいけど。
会長の机の書類………ぱねぇ。
なに、あれ。
積んだやつを引っ込抜いて倒れないようにするゲームみたいになってるよ?(ジェンガだっけ?)
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