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Others
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「……………。」


背伸びをして、高い位置にある会長の顔に、そっと手を伸ばす。


「…じ、次郎…?」


オレが触れると、会長は精悍な頬を、うっすらと朱に染め、珍しくも狼狽えたような声を出した。


呼び方も、いつもと違う。


でも、それよりオレが気になったのは…



「………会長、寝てる?」

「………は?」


呆気にとられたような彼の顔は、目も眩むような美貌は健在だったが、少々精彩に欠ける気がした。


「…なんか、ちょっと痩せた気がする。目の下にうっすらクマが出来てるし……。」


まぁ、そんな状態でも、美貌は衰えるどころか、妖しい色気さえ感じるけど…。


「……心配、してくれんの?」


会長は、頬に触れていたオレの手に、自分の手を重ね、嬉しそうに笑った。


普段は鋭い瞳が、甘く溶ける。


「…当り前でしょー?」


そんなに薄情じゃないよ。
…興味無い事は、とことんスルーだけど。


親しい先輩が、具合悪い時くらい心配するし。


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