Others
3
ポンッ
いて。
「………?」
ぼんやり考え込んでいたオレの頭を、後ろから誰かに軽く小突かれる。
後ろを振り返ると、校舎の窓から身を乗り出したイケメンが、楽しそうに笑っていた。
「よぉ、ジロ。」
「会長ー…。」
そう。
オレを小突いたのは、ワイルド肉食系のイケメン…橘 総一郎。
生徒会メンツの中で唯一、けーわい君にオトされていない生徒会長サマである。
「今帰りか?」
「うん、そう。」
コックリ頷くと、会長はゴソゴソとポケットを探りはじめた。
「ジロ。手。」
「?」
端的に言われて首を傾げつつも、素直に手を出すと、手のひらに何かが置かれた。
「…チョコだー。」
手のひらに置かれた小さな赤や茶の包みを見て、つぶやくと、会長は『好きだろ。』と優しく笑った。
「うん。…ありがと、会長。」
にこぉ、と笑うと、会長はますます笑みを深めた。
それを見返しながら、オレはある事に気付き、笑いをおさめる。
「…………。」
「…ジロ?」
じっと見つめるオレに、会長は不思議そうにオレの名を呼ぶ。
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