Others
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「………。」
放課後、職員室に提出物を届け、そのまま帰ろうと校舎裏の通路を歩いていたオレの視界に、騒がしい一団がうつった。
「ケイー、今日は僕らの部屋においでよ。」
「そうそう!お菓子いっぱいあるよ?」
「ケイは、私とお茶会する約束をしているんだ。すまないね。」
「…オレも、いっしょ…ケイ。」
「皆一緒に遊べばいいだろ!?なっ!!」
…編入生のもっさり君と、取り巻きと化した生徒会の人ら(生徒会長を除く)だー…。
てか、声でかいなー…。
大分距離離れてんのに、会話全部聞こえるとか、どんだけー?
周りに気を留めず、ギャアギャア騒ぐ集団をぼんやりと見つめながら、オレはため息をついた。
季節外れの転校生の名前は、岩井 ケイという。
あんまり物覚えの良くないオレが、何故彼の名前を覚えているかというと、初めて聞いたときのインパクトが、すごーく強かったから。
オレに彼の名前を教えてくれたのは、オレの親友だったりするのだが…
親友は、オレの机をバシバシ叩き、爆笑しながら、こう言った。
『ジロッ、あの転校生の名前、イワイ ケイっつーんだとよ!ケイ.イワイ…ケーワイ!!ピッタリじゃね!?』
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