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Others
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「副会長。これは、順番はどうすれば?」

「うん?どれ………あぁ、これなら、去年と一昨年のものがデータで残ってる筈だから、参考にするといいと思いますよ。後で渡しますね。」

「はい。ありがとうございます。」


濡れたような艶を持つ真っ直ぐな黒髪と、長いまつげに飾られた黒曜石の瞳を持つ、平安時代の貴族を思わせるような雅やかな美貌の青年は、穏やかに微笑んだ。

今年書記に就任した、一つ年下の後輩…霧原(キリハラ)は、文武両道に長けた天才肌だ。


一を教えただけで十を理解し、尚且つ教えられたものだけをこなすのでは無く、周りへの気配り、手助けを忘れない、まさに出来過ぎた男。

なのにも関わらず、上からの受けも良いのは、こうして上をたて、相談出来る素直さがあるからだと思う。


「雪先輩、打ち込み終わりました!最終チェック、よろしくっす!」

「早いですね。ご苦労様。」


小麦色に焼けた健康的な肌に、白い歯が眩しい…。
見た目通りスポーツ全般を得意とする会計 嵐山(アラシヤマ)は、精悍な美貌に爽やかな笑みを浮かべ、オレに頭を下げた。


数字に強いので会計としても有能だが、懐っこい性格や、人を纏めたりするのに長けている性質の為、会議ではとても重宝している。


始まった当初は、一年二人も入れてどうすんだよ、と思ったものだが、今となっては良かったと思う。


……本当に、この二人がいてくれて、良かった。


「…霧原君、嵐山君。」

「はい。」

「はい?何ですか?」


二人は、オレを振り返り、僅かに目を瞠る。
…多分、オレの顔が思いの外真剣だったからだ。


「…お話しがあります。」

そう切り出したオレに、彼等が訝しむように眉をひそめたその時、


バン、と生徒会室の扉が開いた。



「こんにちはー!」


そう、にこやかな笑顔を浮かべて部屋に入って来たのは…オレと、そっくり同じ顔をした少年だった。


「…晴(ハル)。」


同じ親から生まれた同じ顔の晴…だがオレとは違い天真爛漫で誰からも愛される双子の弟。


「こんにちは、兄さん!霧原君と嵐山君も!」


一片の曇りも無い笑顔を向けられ、オレは一瞬固まったが、直ぐに穏やかな笑みで誤魔化した。


「今日も元気だね、晴。」

「兄さんと違って、それだけが取り柄だからね!」


えへへ、と健康的に頬をピンクに染める晴に、オレは笑みを苦笑に変えた。

端から見れば、もしかしたら微笑ましく見えるかもしれないやり取りを、冷たい声が割って入る。


「…部外者は立ち入り禁止です。」


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