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※元書記 御厨剣視点。


オレは、言葉、というものを、信じていなかった。



ソレは、無力なガキだった頃のオレを、傷付けるだけのものだった。


そして、年月が流れた今も、くだらない雑音や、無責任なガラクタの域を出ない。


敵意。
好奇。
打算。


どの『言葉』も、くだらない。


そんな汚いもの、オレはいらない。


そうやって耳を塞ぎ、目を反らし続けていたオレの元に、ある日、初めて光が現われた。


『オレは岩井ケイ!よろしくなっ!』


野暮ったい格好と裏腹に、とても明るく溌剌とした少年は、オレが言葉にしなくとも、オレの考えを読み取ってくれた。


『いいじゃん、言葉にしなくても、オレはお前の言いたい事分かるし!それで充分だろ?』


頭の中ではちゃんと考えられるのに、オレの口を通ると、それらは酷く稚拙でたどたどしいものにかわる。

それも、オレが『言葉』を嫌う要因の一つだった。


でも、ケイはそれでいい、と言ってくれた。


自分が分かれば、それで充分だと。


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あきゅろす。
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