Others
6
「………。」
オレのコメカミに、ピキッと青筋が浮かぶ。
ドスッ
「ぐっ!?」
「がっ!?」
両脇のアホ共を、肘鉄で一気に沈め、オレは、フゥ、と息を吐いた。
そして笑顔で、沙織ちゃんに向き直った。
「ごめんね、この馬鹿共が。…有り難う、お弁当。」
受け取ると、沙織ちゃんは、ヒくどころか、キラキラした目でオレを見つめる。
「桜ちゃん、格好イイ!」
「そう?…そうだ、よければお昼、一緒に食べない?」
「食べるっ!」
ワーイ!桜ちゃんと一緒〜!と、沙織ちゃんが、可愛らしくはしゃいでいた、その時。
「…いいご身分ね?葛葉桜。」
―――オレを悩ませていた、キツめの綺麗な声が、割り込んできた。
「!」
其処にいたのは、つい先日、オレに『大嫌い』宣言をくれた美女だ。
「貴女は、」
「玲花ちゃん!」
問い掛けようとしたオレの声に、沙織ちゃんの声が被る。
……え?
もしかしなくても、知り合い?
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