Others
16
「…………そん、なの………だって、ケイ、…親、衛隊は酷い奴ら…だっ、て」
またも、ケイ。
この人は、本当に盲目すぎる。
「もういい。」
オレが、静かにそう呟くと、その場に、シン、とした沈黙が落ちた。
「………叶や親衛隊の人は、アンタを陰ながら支えてあげて、」
「…………、」
叶の目が、ゆっくりとオレを捉える。
「風紀の仕事じゃないのに、足利先輩は、寮長や先生らに掛け合って、アンタの同室者を、変えてあげて、」
「…ジロ、」
足利先輩は、いつもは鋭い眼光を宿す瞳を瞠った。
「言葉少ないアンタをフォローしつつ、面倒見て、…アンタらが恋にうつつを抜かして仕事サボりまくってる時も、たった一人で仕事こなして、アンタらが帰ってくるの待ってた会長よりも、」
ああ、悔しすぎて涙が出そうだ。
こんな奴の為に、
オレの大切な皆が、苦労してたなんて。
「ケーワイ君だけを信じて、他を蔑ろにするなら、…もういい。」
オレは、アンタらが死ぬ程嫌いだ。
「皆はアンタなんかに渡さない。…アンタはオレが潰すよ。」
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