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Others
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「お早う、沙織ちゃん。」

オレが笑いかけると、少女も愛らしい笑顔でニッコリと笑った。

毛先を緩やかに巻いた栗色の髪を、指先に絡めながら、黒目がちな、大きな瞳でオレを見上げてくるのは、葵の元カノ、篠原沙織ちゃん。


突き飛ばされた拍子に、机の角に太ももをぶつけ、呻いている葵には、全く興味を示さずに、オレに向かってパステルカラーの可愛い包みを差し出してきた。


「…桜ちゃん、沙織ね、お弁当つくって来たんだ!……桜ちゃんの口にあうか分かんないけど、………食べてくれるかなぁ?」


頬を染めながら、沙織ちゃんは、不安そうに小首を傾げる。


……そんな可愛い仕草をされて、断る男なんていないだろう。
寧ろ、いたらオレが成敗する。


「あ、」
「生憎、桜は、僕と昼食をとるので。」

有り難う、と続けようとしたオレの言葉を遮って、楓はそう言って、オレの腰に手をまわす。

「ちょ、」
「オレと、だよな?桜。…浮気は許さねぇぞ?」

…更に、雪までもが、オレの肩を抱いて、話を遮る。


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