Others
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「…………。」
書記だけでなく、足利先輩も驚いたように目を瞠っている中、叶だけは、『あーあ』とでも言いそうな諦めた顔で嘆息していた。
「…此処は、『仕事をする役員』の為のフロアなの。アンタに居る資格が無いのは分かり切った事でしょー?」
「………………、」
上手く言葉に出来なくて、歯噛みするような顔の書記。
思い知るといい。
世の中には、アンタの思考が読めない奴が大半だということを。
言わなくとも、
考え無くとも、
許されたのは、この狭い箱庭の中だけだという事を。
「…嫌だっ…!」
「……………。」
本当に、駄々をこねる子供と同じ。
嫌だしか繰り返さない書記に、オレはため息しか出ない。
「……嫌だから、やらなくていい。そんな風に全ての事柄が済むなら、誰も苦しんだりしないんだよ。」
オレは、色素の薄い書記の瞳を見据えて、静かな声でそう言った。
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