[携帯モード] [URL送信]

Others
3


ドンッ
「グエッ」


突然、葵の体が突き飛ばされた。
カエルが潰れたみたいな声で、よろめく葵。


「…僕の桜に、何をしているんですか。汚らわしい。」


虫を見るような目で葵を睨み付けるのは、幼なじみその2、萩野楓。
フルフルと震える手が、楓の怒りを物語っている。


しかし、空気が読めてない葵は、突き飛ばされた所を擦りながらも、またオレに巻き付いてきた。


「ってぇなー…。萩野が虐めるよー、桜。」

「痛みも感じない世界へ、旅立たせてあげましょうか。」


ニッコリと楓は、キレた顔で笑った。


「…楓。取り敢えず、カッターは置け。」


チキチキチキ…、と恐ろしい音をたてて、ゆっくりとカッターの歯を出す楓に、オレは先手で釘を刺す。


…怖いから。
普通に怖いから。

そのイイ笑顔も、メッチャ怖いからね?


楓は、渋々、カッターをしまった。


.

[*前へ][次へ#]

3/9ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!