[携帯モード] [URL送信]

Sub
3


「………満足?」


肩口までの、くるくる巻かれた黒髪のかつら。
肩のところがフワリと膨らみ、袖口が広くなっている、シスター服。ペンダントタイプのロザリオ。
頭には、レースのベール。
手には聖書もどきまで持たされて。


何とも情けない顔のオレの前には、クラスメイト達。


「…地味だ。」
「…だが、清楚だ。」
「…そして、清らか故の色気も、微かにある気もする。」
「憧れの近所のお姉さんを、確かに思い出させる…。」
「オレ、幼稚園のまり子先生!」
「オレ従姉妹の由紀ねぇ!!」


「総合して…」

「「「「「天才じゃね!?神林!!」」」」」


この阿呆クラスがぁあああ!!!





「い、いらっしゃいませ〜。」


…そうしてオレは、慣れない営業スマイルを浮かべ、接客をやらされるハメになった。


つか結局、風俗まがいな店なんだから、AVっぽかろうと、別によくね!?

だって何番テーブルご指名でーす、とかやってるんだよ!?


各言うオレも、ただいまヘルプでテーブルについてます…あははー。
…まんまクラブじゃねぇかー!!


「シスター、お名前は?」

トリップしていたオレに、隣のお兄さんが聞いてきた。
爽やか系のイケメンだが、突き抜けた美形に囲まれたオレの目には、普通の人の良さそうなお兄さんにしか見えない。
慣れって怖い。


…じゃなくて、名前って。
確か源氏名が………


………忘れた。


「……シス子です。」


.

[*前へ][次へ#]

4/10ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!