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「……。」


青さんも誠さんも、くだらない、とは言わなかった。


誠さんは、何かを考えるように視線を下げ、


青さんは、くしゃ、と頭を撫でくれた。


「…気を使わせたくなかったんじゃねぇの?」


「……でも、黒さんは、オレの誕生日に、いっぱいお祝いしてくれたのに。」


青さんの言う通りなのかもしれない。
でも…、

もらうばかりなんて、少し寂しい。



「…………。」



考えこんでいた誠さんは、視線をオレに戻し、口を開く。



「…陰。」

「はい?」

「黒は昨日一日、いなかった?」


「…?」


誠さんの問いに、オレは首を横に振った。


「いいえ。…寧ろ、一日ずっと家にいましたけど。」


そうオレが答えると、誠さんは目を瞠り、次いで、優しく目を細めた。



「………そっか。」


「……?」


訳が分からず疑問顔のオレに、誠さんは、嬉しそうに、もう一度、そっか、と繰り返した。



「…オレが言う事じゃないから、詳しくは言えないが、一つだけ。……ここ数年、アイツは、その日は必ず1人だった。」


「……え?」


.

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