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変な声を出したオレに、何事かと、黒さんも驚いたような声を出した。


でも驚くよ!


『凛!おい!?』

「あ、ごめんなさい。ビックリして…いきなり目の前に車が止まって…」


結構な速度で通り過ぎるかと思った車が、突然オレの前で急停止した。


しかも…


「黒塗り…怖。」
『!?凛!離れ…』
バンッ!!
「うぎゃ!?」


黒塗り、と言うオレの言葉を聞くなり、即座に叫んだ黒さんの言葉を遮るように、勢いよくドアが開いた。

伸びてきた手が、オレを車中へ引きずり込む。


「何っ!?」



バンッ、ブロロッ…!


何が起こったのか理解も出来ないまま、ドアを閉め、車は急発進する。







「…タルい仕事も、たまにはしてみるもんだな。」
「!!!」


直ぐ傍、耳元に落とされた美声に、オレは目を見開いた。


バッと身を起こし、ドアに背を張りつけたオレに、妖艶な美貌が、笑みかける。


「思わぬ獲物が、釣れた。」


「……御門、暁良。」


オレは最悪の事態に、動揺しつつも、呆然と呟いた。




ピッ、プルルル…
「!」


握り締めたまんまだった携帯が、思い出したように鳴りだす。
弾みでさっきは、切ってしまっていたらしい。


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