Sub 3 変な声を出したオレに、何事かと、黒さんも驚いたような声を出した。 でも驚くよ! 『凛!おい!?』 「あ、ごめんなさい。ビックリして…いきなり目の前に車が止まって…」 結構な速度で通り過ぎるかと思った車が、突然オレの前で急停止した。 しかも… 「黒塗り…怖。」 『!?凛!離れ…』 バンッ!! 「うぎゃ!?」 黒塗り、と言うオレの言葉を聞くなり、即座に叫んだ黒さんの言葉を遮るように、勢いよくドアが開いた。 伸びてきた手が、オレを車中へ引きずり込む。 「何っ!?」 バンッ、ブロロッ…! 何が起こったのか理解も出来ないまま、ドアを閉め、車は急発進する。 「…タルい仕事も、たまにはしてみるもんだな。」 「!!!」 直ぐ傍、耳元に落とされた美声に、オレは目を見開いた。 バッと身を起こし、ドアに背を張りつけたオレに、妖艶な美貌が、笑みかける。 「思わぬ獲物が、釣れた。」 「……御門、暁良。」 オレは最悪の事態に、動揺しつつも、呆然と呟いた。 ピッ、プルルル… 「!」 握り締めたまんまだった携帯が、思い出したように鳴りだす。 弾みでさっきは、切ってしまっていたらしい。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |