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恋愛処方箋。
「センセなんて、大っ嫌い!!」
「へ?ち、ちょっ…凛ちゃん!?」
バァン!
壊れそうな勢いで扉を閉めたオレの後ろから、戸惑ったようなセンセの声が聞こえたが、無視だ!
バタバタと勢いよく廊下を走りながら、オレは心の中で、センセを罵倒する。
センセなんて、嫌い!
大っ嫌い!!
もう知らないもん!あんなエロ教師!!
こっちから願い下げだ!
別れてやるー!!
…事の起こりは、30分前。
放課後、センセに呼ばれていたオレは、数学準備室へと来ていた。
しかし、扉をノックする寸前で、オレは手を止めた。
「好きです…!」
「っ!?」
中から聞こえた声は、可愛らしいソプラノボイス。
女の子みたいに、高くて、可愛い少年の声。
その声が、懸命に訴える内容に、オレは思わず固まった。
だって。
…だって、ここにいつもいる人物は、たった1人しかいない。
教師っぽくない外見で、飄々っていうか、軽くみえて。
無駄に大人の色気かあって。
でも、実は生徒おもいの、優しくて格好いい。
オレの特別な人、だけ―――。
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