Sub 2 オレは震える手で、扉をほんの少しだけ開ける。 隙間から中を覗いたオレは、息を飲んだ。 「好きなんです…桐生先生…。」 後ろ姿では顔は分からないが、小柄な少年は、そう言ってセンセに抱きついた。 …何、してんの? 何で、オレのセンセに抱きついてるの? 「………。」 センセは、困ったような顔で、少年の肩に手を置いた。 サラリ、と手触りの良さそうな少年の髪を、センセの大きな手が撫でる。 「っ…!」 やめて。 その手は、オレのだよ。 センセが頭を撫でるのは、オレだけでいいでしょ? 泣きそうになりながら、オレは唇を噛む。 醜い自分の考えに、吐き気がした。 センセにとって、あの子は大事な生徒で。 大切に扱うのは、当たり前なのに。 …やく必要なんて、どこにもないって、頭では理解しているのに。 ココロがついていかない。 どーしようもない、醜い独占欲だけが、いっぱいになっていく。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |