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「英和辞典貸せ。」
「…貸してください、でしょ。」
「カシテクダサイ。」
……全部カタカナ発音しやがった。
棒読みすぎてムカつくが、まぁよしとするか。
「…しかし珍しいな。西崎のが部屋近いだろ?」
「お前絶対使ってねぇし。」
…つまり、西崎は使用中の可能性があったが、オレはゼロだと思ったから、と言いたいのか。コイツは。
…まぁ実際使って勉強するどころか、真っ暗な部屋でシーツ被って踞ってたワケですが。
「英和ね…。」
諦め気味にため息をついて、オレは部屋の自分の机に近づいた。
えーと…ここだっけ?
ガサゴソ探っていると、武藤も扉を閉めて、部屋の中に入ってくる。
「……あ、コレ」
ピカッ
びくぅっ!
「……凛?」
固まったオレに、武藤が怪訝な顔をする。
「……何でもな」
ピシャーーン!!
「うぎゃあああっ!!」
「!?」
頭を抱えて、オレは足元に踞った。
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