Sub 2 「英和辞典貸せ。」 「…貸してください、でしょ。」 「カシテクダサイ。」 ……全部カタカナ発音しやがった。 棒読みすぎてムカつくが、まぁよしとするか。 「…しかし珍しいな。西崎のが部屋近いだろ?」 「お前絶対使ってねぇし。」 …つまり、西崎は使用中の可能性があったが、オレはゼロだと思ったから、と言いたいのか。コイツは。 …まぁ実際使って勉強するどころか、真っ暗な部屋でシーツ被って踞ってたワケですが。 「英和ね…。」 諦め気味にため息をついて、オレは部屋の自分の机に近づいた。 えーと…ここだっけ? ガサゴソ探っていると、武藤も扉を閉めて、部屋の中に入ってくる。 「……あ、コレ」 ピカッ びくぅっ! 「……凛?」 固まったオレに、武藤が怪訝な顔をする。 「……何でもな」 ピシャーーン!! 「うぎゃあああっ!!」 「!?」 頭を抱えて、オレは足元に踞った。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |