Main オレって ガスッ、 「うぉっ!?」 教室の前で躊躇していると、後ろから膝裏に蹴りを入れられ、ガクンと崩れた。恥ずかしっ! 今時膝カックンは無い!!と、羞恥で頬を赤らめながら振り返ると、武藤は思いの外真面目な顔をしていた。 「早く入れ。何、テメェの教室に入んの躊躇してやがんだ。」 「………武藤。」 ……これは、コイツなりの激励なんだろう。 何も悪い事はしていないのだから、堂々としていろ……そう言われた様な気がした。 こうやって、前を向かせてくれる奴が傍にいる事の有り難みを、噛み締めながら、オレは頷いた。 「……おう。」 そうだな。 オレは、恥じるような事は何もしてないんだ。前を向かなきゃ。 周りの目を気にして俯く事は、己の非を認めたも同然。 そんなの、オレの味方でいてくれる人達に失礼だろ。 「……………、」 大きく深呼吸をし、オレは扉に手をかけ、勢いよく開けた。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |