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一息
取り敢えず、先輩とオレは離れに来ました。
話をするにも落ち着かないし、誰が通るか分からないしね。
置かれていたお茶セットで、自分と日下部先輩にお茶を淹れ、一息つくと、日下部先輩は、じっとオレを見ていた。
「…先輩?」
「色々聞きたい事があるんだが、」
「…はい。」
コトリと湯呑みを置き、先輩は机の上で手を組んだ。
…進路指導の先生みたいで緊張するんだけど。
「まず、何故君が此処にいるのか聞いていいか?」
予想していた言葉に、オレは考えながら、なるべく簡潔に話をした。
自分としずかちゃんの出会いと、偶然居合わせて、巻き込まれてしまった、今回の事態を。
「…そうか。災難だったな。」
気遣わしげな視線を向けられ、オレは曖昧に笑った。
まぁ、完全な被害者とは言い難いんだよね。
…自業自得の部分もありますんで。
「…という事は、昨日から君は此処にいるんだな。よければ、この家の状況を教えてもらえないだろうか。」
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