Main 7 「変な顔するなよ、西崎。」 「……お前に顔の事を言われるのは心外だ。」 「ひっど。オレだって不細工じゃないもん。平凡だもん。」 「自分で言うな。憐れだ。」 「憐れまれた!」 一通りのやり取りの後、西崎は深いため息をついた。 「……何なんだお前は。」 「…ねぇ、ハルちゃん。」 「………。」 「オレ、大丈夫だよ?」 自分で『狙われる』とか言っといて、何なんですが。 「だから、変な顔しなくていい。…いつもの西崎でいて。」 一瞬、虚を突かれたような顔をした西崎は、ガタンと音を立てて、椅子から立ち上がった。 「西崎。」 「……勝手にしろ。」 低く呟いて、西崎は教室を出て行ってしまう。 後に残されたオレは、困ったように武藤を見たが、武藤は我関せずといった様子で、机に突っ伏して寝る体勢だ。 ああ、もう。 オレの友人って、心配性なんだか、放任主義なんだか。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |