Main 8 ※清水視点です。 「…陰の傍にいるのは、オレだけでいい。大切な人間なんて残らず滅びろ。……つか、ぶっちゃけ、アンタも目障りなんだよ。青。」 そう吐き捨てて、陽は、愉快そうに肩を揺らす。 狂気に彩られた瞳が、オレを捉え、眇められた。 「…オレの陰に馴れ馴れしいんだよ、アンタ。いつも殺してぇと思ってた。………なぁ、消えてよ?」 ヒュッ…ガッガッ!! 急速に間合いをつめ、繰り出された拳と膝蹴りを受け止め、オレは舌打ちした。 「…本性現してんじゃねぇよ、クソガキが。」 気に食わないのはお互い様だ。 オレもコイツが嫌いだ。 許せねぇ。 出会った当初から気に食わなかったが、今は殺意すら覚える。 またアイツから、奪う気なのか。 あの、何も持たなかった不器用な子供が、漸く掌に握りこんだ大切なものを、 また奪う気なのか、コイツは。 「…教育が必要みてぇだな、陽。」 久々に凶暴な気分にまかせ、オレはそう低く呟き、口角を吊り上げた。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |