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緊急警報発令
ピキーン、と
目に見えて場が凍る。
冷えた声のした方向を見た奴らは、動きを止めた。恐ろしい何かを見てしまったかのように、瞬き一つ出来なくなっている。
静まり返った教室に、カツ、と硬質な音が響いた。
近付いて来る靴音を聞きながら、振り返る事も出来ないオレ。
やがてポン、と肩に軽い重みがかかった。
「…………、」
ギギッと油の切れたブリキのロボットの様な、ぎこちない仕草で上を見上げてみる。
指が長く、骨張った男らしい大きな手。
淡いグレーのシャツはアイロンがかかっているのかピシッとしていて、普段の怠そうな様子とはイメージが違って見えるが、ある意味性格をよく表しているかもしれない。
几帳面さと適当さを併せ持つ…確かAB型だった筈。
視線を上げていけば、濃い色みのネクタイと、これまた男らしい喉元。
適当と見せかけつつ計算でしょ、と言いたくなる不精髭、
そして、ワイルドで甘い美貌に、背筋の凍る様な笑みを浮かべた男前と、目が合った。
「…仲間外れは良くねぇなぁ。…勿論、オレも仲間に入れてくれるよな?」
「……アハハ。モチロンデスヨ、センセ。」
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